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喫煙者がタバコを吸うために作るよくある言い訳の真実を公開

喫煙者は真実に目を向けず、都合の悪いことには目をつぶって自分自身を騙して吸うための屁理屈や理由づけの一部をあげてみました。客観的に見てみましょう

タパコを吸い続けるための言い訳と真実
どんなにタバコの効用をあげたてる人であっても、身体にまったく害がないと思っている人はいないでしょう。どのような病気で病院に行ったとしても、だいたい共通して注意されることは、喫煙習慣とお酒の飲みすぎです。どんなに耳を塞ごうとしても「医者からタバコをやめろと言われてやめた」という話は耳に入ってきます。

タパコをやめることは容易でやめることを考えるだけで人生終わりになるように感じれば、とりあえずはこのままタバコを吸い続けようと思うかもしれません。

しかし喫煙者は真実に目を向けず、都合の悪いことには目をつぶって自分自身を騙して吸うわけですから、そのためには自分を納得させるだけの理由づけが必要です。客観的には屁理屈にしかすぎないのですが、理由づけの一部をあげてみましょう。

屁理屈はもっとありますが、ここでは代表的なものだけあげてみました。気がつかれたでしょうが、言い訳のいくつかはタバコの害を正面から見るのではなく、タバコの問題を大気汚染や税金などの別の問題にすりかえています。この「問題点のすりかえ」はよくみられます。

タバコの害はまだ証明されていない
タバコの害をよく知っている人にとっては、ちょっと信じ難いかもしれませんが、喫煙者の中にはタバコの害が十分に証明されていないと言い張る人がまだいます。1本吸ってすぐにその場で死ぬのでなければ害がないといえると考えているのでしょうか?

タバコを吸うことは、戦争に行ったり、交通の激しい大通りを信号無視して渡ることにたとえられます。戦争に行っても生き残る人もいますが、だからといって戦争は安全だなどとはいえません。運よく車をよけて大通りを渡れたとしても、何度も渡ればそれだけ事にひかれる確率が高くなります。 タバコは人類最大の欠陥商品という人もいるくらい、さまざまな害がわかってきました。

自分のおじいさんはタバコを吸っていたが90歳まで元気で長生きだった
タバコを吸っていても、ガンにならない人、心筋梗塞にも肺気腫にもならない人は確かにいます。しかしタバコを吸って命を短くし、病気になって苦しむ人の方が圧倒的に多いのです。

しかも、おじいさんの時代と今の時代とでは、タバコを吸い始める年齢も、吸う本数も、吸う状況も違ってきています。食生活も、家族構成も、空気も、住宅環境も何もかもが変化し、慢性的なストレスも加わって、今の生活環境は喫煙関連の病気が発症しやすい状況になっています。

近年、遺伝子研究の進歩により、病気と遺伝子の関係がだんだんわかってきました。今後さらに研究が進むにつれさまざまなことが解明されてくるでしょう。

特定の病気にかかりやすい体質、かかりにくい体質について、もっとわかってくるでしょう。しかし仮にいろいろな病気にかかりにくい体質だということがわかったとしても、受動喫煙を考慮しなければならないという難しさがあります。

病気にかかりやすい体質であれば、自分がタバコを吸わなくても他人のタバコで命が短くなったり、病気になって苦しまされるわけです。喫煙問題はもはや喫煙者本人の問題にとどまらない、社会問題なのです

今さらやめてももう遅いし
そんなことはありません。5年ほど前に人間ドックを受診した63歳の男性は、以前は1日40本も吸うヘビースモーカーだったということでした。 60歳ごろに「タバコをやめて10年すると肺ガンにかかる危険度がタバコを吸わない人とほぼ同じになる」と聞きましたが、「10年かかって吸わない人と同じになるなら、このまま吸い続けた方がよい」と思い、タバコを吸い続けていました。

それから1年たったある晩、呼吸困難を起こして病院にかつぎこまれて肺気腫と診断され、以後病院通いが始まりました。肺気腫は大変苦しい病気です。「タバコが肺気腫の原因になることを御存知でしたか?」と私がきいたところ、「知りませんでした。肺気腫について知っていたら、そのときに絶対にやめていましたよ。本当に辛いんです」と悲しそうに答えられました。

タバコの害より、タバコをやめるストレスの方が健康に悪い
京都大学の1997年の研究によると、喫煙歴を持つ男性がタバコを1本吸うと、吸う前には1分間に平均70回であった心拍数は吸い終わった直後に85回に急上昇し、心拍数・血圧などを低下させる副交感神経の働きが急に低下し、心臓・血管を緊張させる交感神経の活動が高まりました。

脳波も心電図も緊張状態でみられる波形となりました。このように、タバコは身体にとって明らかなストレスです。 それでは心に対してはどうなのでしょうか。

実はタバコを吸うと、かえってストレスに耐える力を弱めてしまうようです。日本大学板橋病院の1998年の調査では、男性の場合、喫煙本数が増えるに従いストレス耐性度(ストレスに耐える力)が低くなり、女性でも20本前後の人が最も低かったという結果でした。

喫煙者に「なぜタバコを吸うのか?」と聞くと、まず返ってくる答えが「ストレスが多いから」です。その喫煙者に向かって真っ向から「あなたのいろいろな症状はタバコが原因になっている可能性があるからやめてみてはどうか」とでも言おうものなら、「ストレスを解消するために吸っているのだから、タバコをやめるなど、とんでもない話だ」と言われるのがおちです。

しかし、実際にはタバコを吸うことでストレスを多くしているのです。それが証拠に、禁煙後には「タバコがストレスの原因になっていたことがようやくわかった」と言われる方がほとんどです。「ストレスがあるから吸う」の ではなく、「吸うからストレス」なのです。ストレスが多いと悩む喫煙者はまずその点を考えなおす必要があります。

知禁断症状の辛さを考えるだけでストレスを感じてしまうと思われる方もおられるでしょうが、実際のところ禁煙で苦しい思いをするのは、禁煙して最初の3日間です。5日たてば相当楽になりますし、長くかかる人でも2~4週間もすれば、禁煙の苦しさは完全に過去のものとなります。これからまだ続く人生のうちの5日間辛い思いをするのと、タバコの害におびえ、タバコに支配された人生を送るのとではどちらがよいでしょうか。

誰でもいつかはタバコをやめるのです。要は今やめるか、病気になってからやめるかです。 幸い、禁煙補助剤を使えば、最初の3日間であっても、それほど辛さを感じずに過ごすことができます。問題なのは、タバコに完全に支配されているその考え方です。まずは、目をそむけずにタバコの真実を知ることです。

タバコを吸うと仕事がはかどる
タバコは集中力を高め、仕事の内容によってはタバコが効果的だったり、パフォーマンスを向上させるという報告があります。「タバコ=アイデア」とか「仕事=元気」と感じる方もおられるでしょう。

しかし、ポジトロンCTで脳の血流を調べてみると、タバコを吸うと脳の血流は低下し、そのために脳全体の活動は低下するようです。 また、タバコを吸うと手指は細かく震えますので、仕事の内容によってはタバコを吸うとミスが多くなります。

タバコを吸う人は、タバコを吸わないでいるとニコチンの離脱症状のために、もはや正常な思考を保つことが不可能になり、通常の業務を果たすこともできなくなる可能性もあります。こうなるとタバコを吸わないと仕事ができないことになります。

自分はタバコを吸うというより単にふかしているだけだ
吸った空気を肺に入れずに口から吐き出すという行為は、相当な芸当に近いものです。簡単にできるならば、アルコールの検問など意味がありません。訓練すればそのような呼吸ができるという人がいたとしても、タバコを吸うためだけに特別な訓練をするとは思えません。

その人がタバコをやめないでいることこそ、結局はタバコの成分が確実に脳に届き、精神的依存状態になっている証拠です。深く吸い込むことはない、というのが正確な表現でしょう。深く吸わなくても害は出てきます。タバコの成分が唾液に溶けて胃に行きますので、胃ガンは増えますし、タバコが直接ふれたところ、たとえば口唇・舌などのガンにかかりやすくなります。

タバコを吸うと太らない
タバコのメリットとして「太りにくい」ことをあげる人がいます。 確かにニコチンには食欲を抑え、代謝を高め、交感神経末端からカアコランというホルモンを介して血糖値を上昇させることにより、空腹感を抑え、脂肪組織に脂肪が貯蔵されにくい、太りにくい状況を作ります。

しかし喫煙により身体に取り込まれるのは、ニコチンだけではありません。200種類近い有害物質も同時に取り込まれるわけですから、太らないためにタバコを吸うというのは愚かで短絡的な行動です。 タバコを吸う人の中には、それほど食事に興味を示さなかったり、体重が少なくて当然という生活を送っている人もいます。タバコで胃は荒れ、味覚も嗅覚も鈍感になっていますので、食事に興味が持てなくなっても不思議ではありません。

タパコを吸えば朝食はいらないし、昼食もいらない。人によっては、食事の最高の楽しみは食後の一服だから、その一服を一刻も早く吸うために、食事を早く終わらせるという人もいます。こうしたことがむしろ太らないでいる理由の多くを占めるのではないかと思うことがあります。

おもしろいことに、タバコを吸う人の方が吸わない人より体重は少なくて もウエストとヒップの比率が大きいというフィンランドの研究があります。 タバコはインスリン抵抗性をおこします。インスリン抵抗性とは、骨格筋や 肝臓におけるインスリンの効きめが悪くなるために、インスリンをたくさん 必要とする状態で、そのために糖尿病や高脂血症・高血圧などの代謝異常を もたらします。

インスリン抵抗性は、腹部の脂肪、とくに内臓のまわりにある脂肪(内臓脂肪)の量と関係があります。内臓の脂肪が多くなると、ウエストは太くなりますので、ウエストとヒップの比率も大きくなります。つまりタバコを吸う人は、同じ体重のタパコを吸わない人に比べて、肥満に関係した生活習慣病にかかりやすいということになります。

禁煙すると、インスリン抵抗性が解消されますので、血液中の脂質の値も改善します。そしてたとえ禁煙で体重が増えたとしても、ウエストとヒップの比率は減少します。禁煙後に喫煙を再開すると、比率は再び増加し、糖尿 病や心臓病・脳卒中などの危険が再び高くなります。

ところで、以前はタバコを吸う人の方が吸わない人より体重が数キロ低い 傾向がありましたが、最近の若い人たちの間では、むしろタバコを吸う人の 方が体重が多いという報告が増えています。これは我が国でも、他の先進国 でも認められており、先に述べた喫煙以外の生活習慣と関係があるようです。

大気汚染の方がタバコより害がある
大気汚染は現代社会における重大な社会問題ですが、タバコとどちらが害があるかと比べてみるのはナンセンスです。大気汚染と密接な関係のある慢性気管支炎を調べてみると、明らかにタバコも大気汚染も慢性気管支炎と関係がありました。どちらかだけでも病気をおこしてきますが、両方が重なったときに気管支炎にかかる危険性が最も高くなります。

大気汚染が問題となる現代だからこそ、なおさらタバコによる毒ガスを吸わない、というのが理性ある者の考え方ではないでしょうか。真実を見つめることには辛いものがあります。喫煙者にとってタバコの真実は、特に重くのしかかってきます。しかしタバコの真実を知ったあとは、これまでの屁理屈を追い払って禁煙に取り組む、これこそが真の勇気というものでしょう。

その他の理由
タバコには古い歴史があり、ひとつの文化である
タバコは嗜好品であるのだから、他人からとやかく言われる筋合いはない
タバコに害があるのだったら、タバコはすでに禁止されているはすだ
国に税金をおさめているのだから、何が悪い

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