▼コンテンツ一覧
MENU

経済的に貧しい人ほどタバコを好む傾向は世界共通だった

経済的に貧しい人ほどタバコを好む傾向は、世界中で見られています。教育程度が低い。満足な食事ができずに口寂しい。単調で過酷な労働のストレスから脱出したい心理が働くなど、さまざまな解釈ができます。

メジャーから草の根に至るまで、アメリカ全土には無数の禁煙団体が存在しています。とりわけ強大な勢力を誇るのが、アメリカがん協会(ACS)、アメリカ心臓協会(AHA)、アメリカ肺協会(ALA)などの伝統的なNGO組織です。

彼らの姿勢は強硬で、タバコ業界からはヘルス・ナチスの異名を奉られています。このうち、ACSのハーレム事務所でタバコ・コントロール・プログラムのディレクターをしている人物に会うことができました。

刺激的なキャッチコピーを掲げたパンフレットがそこここに散らばるオフィスで、プログラムは、子供にタバコを吸わせないことに重点を置いています。18歳未満から吸いはじめると、一生吸い続けることになる可能性が高いことが統計でわかっていますので、小さな子供を持つ母親や、妊娠中の女性の教育も急いでいます。

産婦人科の病院などにボランティアを派遣し、短時間のカウンセリングから始めて、次第にステップ・アップさせていく。総じて、喫煙をやめさせようとしていた従来のやり方から、予防に力点を移しつつあるとは言えます。

でも、ハーレム地区(アフリカ系住民のコミュニティ)の喫煙率は、全米平均をかなり上回っていて、それだけ死亡率も高いのです。地元リーダーたちのサポートも得てはいるのですが、やっぱり大変で、タバコ業界は、特にマイノリティを狙って広告を打ってきます。

経済的に貧しい人ほどタバコを好む傾向は、世界中で見られています。教育程度が低い。満足な食事ができずに口寂しい。単調で過酷な労働のストレスから脱出したい心理が働くなど、さまざまな解釈ができます。

ハーレムも例外ではありません。喫煙規制を進める政府の誘導でタバコ税が上がり、それに伴って価格の値上がりが続いたため、違法なバラ売りが横行するようになりました。

バラ売りのタバコはルーシーと呼ばれており、束縛から解き放たれたを意味する言葉をさらにくだいた表現です。ACSではハーレム内の協力者たちに「バラ売りしている店を見つけたら連絡するよう」呼びかけ、監視体制を強化しているが、いたちごっこが続いているということです。

このページを見た人が合わせて読みたいのおすすめページ!