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タバコのニコチンの罠からからだを守るための対処法

喫煙用の商品は、ニコチンさえ入っていれば、どんなものでも味に慣れることができる。喫煙はニコチンヘの飢えを生み出すばかりで、飢えを癒すことはない。

ニコチンの罠はとても巧妙にできている
ずるい手口であなたをだます詐欺師のように。
「喫煙からは何の楽しみも得られない」とか「タバコには何の利点もない」という私の考えが正しいとしたら、どうして人はそれに気づかないのだろうか?
それは、ニコチンがたいへん巧妙にできた罠だからだ。

この罠は自然と人間によっていっしょに作られたものだ。
(禁煙セラピー)では、その罠のしくみを世界で初めて見破ることに成功した。
ニコチンの罠も、そのしかけさえわかれば単純なもの。

「ニコチンの罠」と言っても、「喫煙の罠」とは言っていないことに、お気づきだろうか?ハーブタバコを試したことのある人には、その理由がわかるはずだ。ニコチンを含まないハーブタバコは、どんなに長い間我慢して吸っていても、楽しいという幻覚さえ生まれない。

喫煙用の商品は、ニコチンさえ入っていれば、どんなものでも味に慣れることができる。
味が嫌いだからニコチンの摂取量を減らせるだろうと期待して、タバコから巻きタバコやパイプ、葉巻などに切り替えた経験のある人もいるかもしれない。でも、タバコといっしょで、味が嫌なのは最初だけ。だんだん慣れてくるとおいしく感じてしまうものだ。

ヘロイン中毒者は、注射を打つという行為が楽しくてヘロインを摂取するのだろうか?
コカイン中毒者は、鼻から粉を吸う行為が楽しくてコカインを摂取するのだろうか?
昔、人々が嗅ぎタバコを吸ったのは、鼻からタバコを吸う行為が楽しかったからだろうか?
答はいずれも、「その物質に依存しているから」。

昔の人が嗅ぎタバコを吸ったのは、嗅ぎタバコのなかにニコチンが含まれていたからに他ならない。
タバコに利点がないのなら、利点があるのはニコチンなのだろうか?
いや、ニコチンにも利点はひとつもない。鼻から吸っても、口から吸っても、食べても、腕にパッチを貼って摂取しても同じこと。
ニコチンは害虫を殺すのに使われているだけでなく、世界で毎年5000万人もの人間を殺している。

その一方で、「タバコは楽しい」とか「タバコには何かいいことがある」という幻想を私たちに植えつけている。

どんな麻薬でも、大切なのは麻薬の成分を摂取する行為ではない。摂取した麻薬の成分が体内から抜けるときの感覚だ。医者の話を聞いていると、「禁煙したときだけ禁断症状に苦しむ」と思ってしまうが、それは違う。

続けるたったひとつの理由
それは前の1本が生み出した禁断症状を次の1本で緩和したいと思うから。
そして、禁断症状は次の一本を吸っても完全に緩和されることはない。
その理由はこうだ。

タバコをもみ消したとたん、体内のニコチンレベルはただちに低下していく。
そして、心にぽっかり穴があいたような不安な感覚をもたらす。

これは食べものに対する飢えに似ていて、私たちはこの感覚を「手が寂しい」とか「タバコが吸いたい」という感覚でとらえる。タバコを吸い終わって30分たつと、血液中のニコチンレベルは半分に、1時間後には4分の1に下がる(ちなみに、平均的スモーカーの喫煙量である1日20本という数字は、このニコチンレベルの下がる速度を考えると、しっかり計算に合っているわけだ)。

そして、次の一本に火をつけると体内にまたニコチンが注入され、不安な気持ちはなくなる。
この感覚をスモーカーは「楽しい、リラックスできる、満足感を味わう」などと呼ぶ。まるで、わざときつい靴をはいてから、それを脱いで、「リラックスできる」と満足するのに似てはいないか?


ニコチンの代謝とたばこの吸い方
ニコチンの致死量は、体重1kgあたり1mgで、極めて毒性が強く、昔は害虫駆除のために使われたほどでした。タバコ1本には約6~13mgのニコチンが含まれ、喫煙時に火がフィルターに近づくほど、ニコチン濃度は高くなっていきます。喫煙によって1~3mg程度が体に吸収され、強力な作用を発揮します。

タバコの多くはPH5.5~7の酸性になるよう作られており、酸性の状態だとニコチンは口の中で吸収されず、口から気道を経て肺に送り込まれ肺に沈着します。肺は血流の多いところですので、吸い込んだニコチンの90%は血液の中に溶け込み、7~8秒という短い間に脳に達します。

そして喫煙者がよく表現する「ジーンとした感じ」がおこります。ニコチンを身体に塗ったり、食べたり、注射したりするのでなく、煙を吸うという行為で摂取するのは、効きめが最も効果的に早く現われるためです。 ニコチンの85~90%は肝臓で代謝されます。

その速さは人によって異なりますが、多くの人において血中ニコチンの濃度が半分になるのは約2時間です。2時間と聞くと、ずいぶん長いように感じますが、喫煙開始20分後には血中ニコチン濃度が低下しますので、30分後にはタバコを吸いたいという気持ちが出てきます。40分後には不快感が出ますので、喫煙者はタバコを吸える状況であれば、不快感が出る前にはタバコを吸 います。

24時間から睡眠時間、食事時間、その他日常生活のための活動時間を引いた残りの時間の長さと、ニコチン代謝を考えてみると、喫煙者の平均喫煙本数が1日20本というのがうなずけます。

喫煙者が不快を感じない血中ニコチン濃度は、一人ひとり違っていますが、各個人では一定しているようです。血中ニコチン濃度が最も低下するのが起床時です。

朝1本目のタバコがおいしいのはこのためです。喫煙者は自分にあった血中ニコチン濃度となるように、無意識に本数や吸い方を調節しますので、普通は午前中に本数が多く、深く吸って昼間のうちに血中ニコチン濃度をその人にあったレベルまで上昇させます。20本吸う喫煙者は1日に20~40mgのニコチンを吸収し、午後にはニコチン血中濃度を23~35ng/mlに達します。そして睡眠中に次第に血中ニコチン濃度は低下していきます。


ニコチンの罠にはまる前と同じ目で「禁煙」を考える
今までの思い込みをすべて捨てて、ニコチンの罠にはまる前と同じ目で「禁煙」について考えればよい。 そうすれば、「最後の一本」を吸ったあとも、「もう一生タバコが吸えないんだ」と恐怖を感じたり、狼狽したり、つらい思いをすることはないはずだ。

反対に、「やった、ついにニコチンの罠から抜け出すことができた。汗水流して稼いだお金を不潔な煙を吸うために無駄にする必要はもうないんだ!」という安堵感、達成感、興奮、喜びを味わうことができるだろう。


「禁煙は難しい」と信じて禁煙をはじめると、必ず禁煙は難しくなる。
つらく暗い気持ちで禁煙をはじめても、そのつらさはなくならない。何事も、失って初めてその貴重さがわかるからだ。
精神力でタバコをやめるのは、チョコレートを食べたいと駄々をこねる子どもになるのと同じこと。

意志の強い子どもほど、チョコレートを欲しがる気持ちも強い。
「禁煙したら、からだが元気になってお金もたまる。だから、禁煙もやさしくなるはずだ」という人もいる。
確かに、その通りだ。しかし、その結果、もともと、禁煙したいと思った理由もなくなってしまう。

「食後のタバコはおいしい」「タバコはストレス解消になる」と信じていれば、「ときどき吸うなら、害はないだろ」という考えが頭をもたげるはずだ。
もう十分に禁煙を続けたと感じると、「タバコってどんな味だったかな」とちょっと試してみたくなることもある。

そして、試してみると生まれて初めて吸った一本のように変な味だったり、嫌な味だったりする。「なんでこんなまずいものの中毒になっていたのだろう」と驚き、禁煙は成功したと安心するだろう。
ところが、それからしばらくして、友人と飲みに行ったとしよう。きっと、タバコを吸いたくなるだろう。そしてこう思うのだ。「このまえ一本吸ったときは大丈夫だったんだから、今日も一本ぐらい吸っても構わないや」。

このとき、自分では気づかないだろうが、実はあなたはすでに、またタバコに依存している。若いときにはまったのと同じ罠に、またはまってしまったのだ。そして気づかないうちにタバコの罠にがんじがらめになっていく。

そのうち、前と同じ本数を吸うようになるだろう。
そして「今日ではなくて、明日やめるさ」と、昔と同じ言い訳をするのだ。


「ニコチンを求める飢え」は「食べ物を求める飢え」とよく似ている
ニコチンヘの飢えが、肉体的な痛みを伴わないからといつて、この空虚な不安感をあなどってはいけない。「両足を切断することになるよ」と言われてもタバコをやめられない人もいる。
ニコチンヘの「飢え」とはそれほど強烈なものなのだ。ただし、食べ物でこの飢えを癒すことはできないし、その反対もしかりである。

食べ物の飢えとニコチンの飢えは、本当はまったく正反対のもの。
食べ物への飢えとニコチンヘの飢えの感覚がとても似ているため、私たちは喫煙から楽しみや心の支えを得られると考えてしまう。

しかし、食べ物は飢えを生むのではなく、飢えを癒してくれる。また、食べ物は生きるために必要なものだ。からだにエネルギーを与え、健康な生活を送るには欠かせない。
そして、人間は一日三回の食事を、一生を通じて楽しむことができる。
喫煙はニコチンヘの飢えを生み出すばかりで、飢えを癒すことはない。

不潔な発ガン性の煙を肺に入れることは、楽しいとはとうてい言えない。ニコチンは強力な毒物で、摂取すると倦怠感が生まれ、寿命を縮める原因になる。
次の一本に火をつけたとき、人生で最初の一本に火をつける前と同じぐらい良い気分を味わえるのなら、タバコもそんなに悪いものではないだろう。

しかし残念ながら、次の一本を吸っている間も、あなたの体は最初の一本を吸う以前より、より強い緊張状態にある。
なぜか? それは「免疫システム」のためだ



ニコチンの離脱症状を知っておく
禁煙すると、血液中のニコチンは約2時間で半分になりますが、その代謝産物の影響は約2日間残るとされています。ニコチンの影響がなくなっていくに連れ、ニコチン切れの離脱症状が出てきます。

離脱症状が出るまでの時間には個人差があり、ニコチン依存の強い人は早く、数時間以内にみられることがあります。どの離脱症状が出るのかも人によって違います。離脱症状の強さもまちまちで、ほとんど感じない人から強く感じる人までさまざまです。

一般的には最初の3日がピークで、4日目ごろから下降線をたどり、5日目では約8割の人で症状がみられなくなります。 離脱症状にどのようなものがあるかを知っておくと、心の準備ができて、禁煙に対する不安感がかえって少なくなります。 離脱症状には、次のような症状があります。

たまらなく眠い
どうしようもなく吸いたい
昼間眠くて困る
夜眠れない
落ち着かない
いらいらする
集中困難
不安
不快感
抑うつ気分
怒りっぽい
欲求不満
無気力
焦燥感
さびしさ
虚無感
朦朧状態
だるい
疲労感
頭痛
腰痛
肩凝り
耳鳴り
便秘
だ液分泌過多
汗が出る
たちくらみ
心拍数が減少する
めまい
ふるえ
視力障害や瞳孔調節障害
胸がしめつけられるような感じ
口の中が熱く感じる
手足のしびれ
腹痛
口が渇く
熱っぽい
吐き気
空腹感
動悸
頭がボーッとする

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