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世界銀行のタバコ融資禁止が葉タバコ農業に大きな影響を与える

近年、世界銀行(以下、世銀)も熱心に反たばこ運動を展開しています。世銀は1999年、「たばこ流行の抑制、たばこ対策と経済」というレポートを発表し、たばこ問題に取り組む理由を次のように述べています。

世界銀行も乗り出す
1991年以来、世界銀行はたばこが健康に及ぼす害を認識した上で、正式なたばこ方針を掲げてきた。その方針とは、世界銀行がたばこに融資することを禁止し、対策努力を推進していくことである。

現在、喫煙が地球規模で人類の健康を阻害していることに異論を唱える人はほとんどいない。しかし、多くの政府は、税率引き上げ、広告および販売促進の包括的禁止、または公共の場所における喫煙制限など、喫煙対策を実行に移すことを避けてきた。

その理由は、政府による介入が自国に経済的打撃を与えるのではないかと懸念したからである。本報告書では、経済的懸念の多くは、実は根拠のないものであることも証明されている。要するに、そうした政策は、経済に打撃を与えることなく、健康に対し前例のない大きな恩恵を生み出すと考えられるのである。

たばこの消費が縮小しても、そのマネーはほかの財やサービスの購入に回り、そこで新たな需要→ジョブを生ずるので問題ないというわけです。そして、アフリカの一部の国のように葉たばこ農業に大きく依存している国については、たばこ消費の縮減は雇用の喪失をもたらすであろうが、そうした事態はゆっくりと世代単位で起こることだから解決は可能であるとしています。

一方、世銀の「経済的懸念の多くは根拠がない」というアピールに対して、葉たばこ生産が大きなウェイトを占める開発途上国から豊かな国の論理という批判があります。現在、世界で葉たばこ生産とその加工に3000万人以上が従事しているといわれています。トウモロコシやサトウキビは2000万人規模ですから、いかに葉たばこ農業のウェイトが高いかがわかります。

例をあげれば、低開発国であるマラウィは労働者の4分の1がたばこ産業に従事して13万トンの葉たばこを生産し、GDP(国内総生産)の38%、輸出の74%を占める最も重要な産業ですし、ジンバブエも12万トンを生産して輸出額の30%を占めています。

1984年にマラウィやジンバブエなど6カ国によって「国際葉たばこ生産者協会」が設立されましたが、年々加入国が増え、現在では20カ国になっています。同協会は葉たばこ生産国の共通の利益を追求することを目的に設立されたのですが、反・葉たばこ農業キャンペーンに対抗することも大きな目的になっています。

同協会の会長であったジンバブエのリチャード・テイトは「われわれの産業はWHOによる過去最大の世界規模の挑戦にさらされている。WHOの後ろには反喫煙運動を率いて市場を窒息させ、われわれの仕事を奪おうとしている世界銀行がいる」と述べています。

ちなみに、アフリカの低開発国であるマリは人口の3分の1が綿花産業に携わり、外貨獲得の主要な産業です。しかし、国際相場を参考に世銀などとの協議で決まる買い上げ価格は、アメリカなどの大量生産・輸出の影響もあって低落が続いています。

アメリカでは2万5000の綿花農家が政府から受け取る補助金は30億ドルを超えるといわれ、これが綿花相場の低落を招いてアフリカの農家を苦しめています。マリの農家からの買い入れ価格では肥料代も出ず、このままではマリの綿花生産は消えるだろうという声もあるそうです。
一方、葉たばこはこれまで長年にわたり、最も価格の安定している農作物のひとつとして知られています。

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