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タバコはナスの仲間って知ってた?コロンブスによって広まった

タバコとナスは親戚
タバコの花をご覧になったことがあるでしょうか。
長い花筒の先に可憐な花冠を開かせる、ラッパのような形をしています。
ナスの花にとてもよく似ているのです。
似ているのもそのはず、タバコはナス科の植物だからです。

正確にいえば、「ナス科タバコ属」に属する仲間。南アメリカが原産です。
ナス科の植物にはほかに、ジャガイモやトマト、トウガラシなどといった私たちの食卓に欠かせない作物もふくまれています。

タバコもふくめたこれらナス科の作物は、16世紀初頭、コロンブスの新大陸到達以降ヨーロッパから世界に広められました。当時、ヨーロッパは食糧難や疫病をかかえて苦しんでいたため、新大陸からやってきたナス科の作物には私たちが想像もつかないくらいの価値があったのです。いわば、ナス科の作物がヨーロッパの人々を飢えから救ったといえます。

そして、今私たちがたばこを吸えるのも、コロンブスの新大陸遭遇があってこそです。
66種のタバコ属、シガレット用に栽培されているのは一種だけです。
世界には、66種の「ナス科タバコ属」が分布しています。

ところが、現在、世界各国でシガレットの原料用に栽培されているのは、そのうちの一種、「ニコチアナ・タパクム」だけといっても過言ではありません。ほかに「ニコチアナ・ルスチカ」もありますが、ロシア、インド、中国などのかぎられた一部地域で栽培されているのみです。

実は、初めに栽培されたのは「ニコチアナ・ルスチカ」の方でした。しかし、すぐ後に、それよりずっと味の優れた「ニコチアナ・タパクム」が広まり、「ニコチアナ・ルスチカ」は席を譲る形になったのです。

なお、タバコ属には全部で67の種がある。「世界に分布しているのは66種といったばかりなのに、残りの一種は?」と思われでしょう。それは、人間がつくった園芸種のハナタバコ。学名を「ニコチアナ・アフィニス」という。これは日本で開発されたもので、こんにち、タバコ属で唯一の観賞用植物です。

タバコ属、各大陸で発見される
タバコ属の発祥の地は南アメリカですが、現在では、北アメリカに8種、海をへだてたオセアニアに21種、アフリカに1種の固有の種が確認されています。

その形態はさまざまである。日本国内で見かけるタバコの丈は二メートルくらいですが、世界には、低いものは二十センチから高いものになると五メートルを超えるものまであります。
姿がちがえば、楽しみ方もいろいろです。

オーストラリア先住民は今でも、周辺に自生する野生のタバコの葉をかんで楽しんでいる。いわゆる噛みたばこです。

アフリカ大陸のエジプトでは、古代遺跡の壁画にパイプが描かれ、パイプそのものも遺跡から掘りだされています。パイプにはタバコ以外の香りの高い植物の幹や葉をつめて楽しんだとの説が定説ですが、ひょっとすると、古代エジプト人もたばこを吸っていたのかもしれません。今となっては想像するばかりです。

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