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禁煙と体重が増えるのはどっちが良い?食欲に勝つための対処方法

タバコを吸う人は、本来のその人のあるべき体重より2~3kg低くなっています。したがって、禁煙して体重が増えるのは、本来のあるべき体重に戻ると考えるべきです。

禁煙すると太るのか
気になるところですが、答えは「YES」です。しかしもう一度繰り返して言いますが、タバコを吸ってやせるのは、タバコが不健康な証なのです。 しかし、心配や落胆は不要です。

食事、運動、ストレス管理に気をつけていただければ、体重が本来増加すべき以上には増加しないようにすることができます。

タバコを吸う人は、本来のその人のあるべき体重より2~3kg低くなっていま す。したがって、禁煙して体重が増えるのは、本来のあるべき体重に戻ると考えるべきです。

一般に禁煙をした人の約80%に、禁煙後1~6年で2~3kgの体重増加がみられるとされますが、体重増加は禁煙者の25~30%にすぎないという報告もあります。 3kg以上の増加は、禁煙による当然の体重増加ではなく、食事や運動に気をつけなかったことによるところが大きいといえます。

タバコをやめると、食事がおいしいので食事の量が多くなり、嗜好も変わり、これまで興味さえなかった和菓子やチョコレートなどの甘いものを食べがちです。

口さみしさも手伝うので、間食がふえ、のべつまくなしに食べているなどの毎日が続いたらどうなるでしょう。体重が増えて当然です。体重が増えすぎれば、当然、高脂血症・高血圧・脂肪肝・糖尿病などの病気が出てきます。タバコを吸うよりはましだと言い訳して、いろいろ食べて自分を甘やかしていただきたくないのです。

タバコを吸い続けるのと体重が増えるのでは、どちらがましなのだろう、とは誰もが興味あるでしょうが、禁煙後の体重増加が2kg程度までなら、明らかに動脈硬化にはよい影響を及ぼすことが、大阪成人病センターなどの大規模調査でわかっています。

問題はそれ以上の体重増加ですが、タバコを1日20本吸ったときの動脈硬化の害は、40kgの体重増加に匹敵するというデータがあるときくとホッとされるでしょう。もちろん動脈硬化だけを問題にすればよいというわけではありませんが、タバコはそれほど身体に悪いのですから、体重増加を理由に禁煙継続を断念するのは浅薄な行為だということです。禁煙によって予防、改善される多くの病気のことを忘れないでください。

禁煙で体重が増える理由はいくつかあります。ニコチンの作用自体による部分もありますが、体重を増加させるかどうかのほとんどが、これからのあなたの行動にかかっています。ポイントは「口で食べずに頭で食べろ! 頭を使 って賢く食べる」ということです。

禁煙により体重が増加しやすい理由
ニコチンの食欲抑制がとれるための食欲増進
ニコチンは食欲を抑える作用があり、またおなかが空いているときにタバコを吸うと、カテコラミンを介して、血糖値が上昇することで空腹感がなくなります。禁煙するとこれらの作用がなくなるため、食欲が出てきます。かつて経験したことのないほどの食欲を感じることも多く、これまでタバコで抑えていた食欲をどうコントロールしたらよいのかわからず、食欲にまかせて食べれば太って当然です。

対処方法
腹7分で抑えるのは難しいもの。そこで最初に体重増加につながりにくい食物(野菜・海藻)をたくさん食べ、次に満腹感が得られやすい食物(穀類・果物)を食べるようにします。

味覚、嗅覚の回復による食欲増進
タバコを吸うと嗅覚の鈍化は吸った直後からおこります。喫煙後1~3分で回復しますが、一般に喫煙者は非喫煙者に比べ、嗅ぎ分けられる匂いの濃さが3倍であり、1/2の時間で同じ匂いの濃度に慣れてしまうとされています。

また、味覚も鈍化し砂糖・酸味・苦味・塩分に対して鈍感になります。 味覚・嗅覚の回復は、禁煙がもたらす最高のご褒美のひとつです。しかしご注意を!これまで感じたことのないほど食事がおいしいと感じますので、食欲の抑制がとれることも手伝って、食べすぎてしまいます。

対処方法
早食いは食べすぎのもと。満腹感を感じる前に食べすぎてしまうためです。食べ物をより味わいながら、早食いを防ぐために、食べ物をよく噛むための工夫をします

胃腸の血液循環改善による消化機能の改善のための食べすぎ
禁煙で、全身の血液循環がよくなり、その結果胃腸が活発になり、食べすぎてしまいます。

口さみしさから、よく食べ物を口にする
これまで何万回と唇や舌にふれていたタバコがなくなったという触感からくる口さみしさ、また口と灰皿の間を往復していた手が、禁煙により手持ちぶさたにもなることから、間食をしがちになります。

対処方法
食べても太りにくいもの(野菜スティック・昆布・シュガーレスガムなど)を食べたり、食物以外のもので、手もちぶさた・口さみしいことを紛らわすための工夫をします(楊子・禁煙用パイプ・シナモンスティックなど)。 あるいは熱いお茶・緑茶・砂糖ぬき紅茶・白湯などを飲みます。熱い飲み物にはリラックス効果もあります。

喫煙者の好物はもともと太りやすいものが多く、食事パターンからも太りやすい
喫煙者の食事内容は、高カロリーでバランスの悪い傾向があります。また朝食を食べない、といった太りやすい食事バランスもよく見られます。禁煙後は、それまでの食事パターンと食事内容を変えないと、体重増加を抑えるのは困難です。

対処方法
太りにくい食事とは、ダイエットのための苦しい食事ではありません。おすすめするのは「太りにくい食事=健康食=長寿食」ですので、安心してこれに従ってください。最初は抵抗を感じるかもしれませんが、続けていくうちに体調がよくなり、次第にそうした食事内容が好きになってきます。 食品ガイドピラミッドに従い、空腹のために間食をしないですむような食事を、しっかり3食とってください。また、食事時間を規則的にしてください。

気分調節のために、タパコのかわりに食べ物を食べる
タバコには気分を調節するという働きがあります。禁煙してタバコを吸わなくなると、空腹とは無関係に気分調節のための何かがほしくなります。 もともと食べ物には、タバコの作用と同じように、気分を調節する作用がありますので、禁煙後は気分調節を食べ物に求めがちになります。

対処方法
タバコや食物によらない気分調整を練習してください。それには、規則正しい生活習慣を送ることが重要です。考え方を変え、前向き思考を心がけ、ストレス管理の達人になってください。

代謝が低下する
ニコチンには代謝を増進させる作用があるので、禁煙すると代謝が低下し、太りやすくなります。定期的な運動により、太るのを防ぐことができます。

対処方法
運動習慣を身につけ、定期的に運動しましょう。運動の効果は貯蓄できません。定期的に運動しなければ運動の効果は望めないので、1日最低1時間は歩くか、1回10分の運動(少し汗ばむような家事労働を含む)を1日3回以上 行うようにしましょう。腹筋・背筋などの筋トレも行ってください。そして運動する時間がないなどの言い訳をしないようにします。

これらの点をしっかり頭に入れておかないと、食欲が出てしまって、いつもは一膳のごはんが三膳になり、おかずも増え、しかも嗜好の変化のために、これまでまったく興味がなかったケーキも食べるようになり、口さみしさも手伝っていつもアメをなめて、相変わらずバランスの悪い太りやすい食生活を続けるというような生活に飛び込まないとも限りません。こんな生活になれば太らない方がおかしいでしょう。

タバコを吸い続けるよりいいだろうですって?とんでもありません。禁煙をやめてタバコをまた吸い始める理由のひとつが「やせるため」だからです。禁煙しても体重が増えすぎないよう注意することはきわめて重要です。


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