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喫煙によってアレルギーが引き起こされるのか!?

アレルギーが喫煙によって引き起こされるとか、タバコが喘息を悪化させるということが指摘されてきました。長年によって定着した知識なのですが、本当にタバコが原因なのでしょうか?
アレルギーとタバコ
しばしばアレルギーが喫煙によって引き起こされるとか、タバコが喘息を悪化させるということが指摘されてきた。アレルギーは、特定の物質アレルゲンに対する反応であって、タバコの他にもアレルギーを誘発するものは多くあり、確かにタバコについてもアレルギーは存在するが、それは非常に稀れなケースである。

ある症例のアレルゲンを専門家が調べるときは、既定の物質に関する一連のリストに目を通すだろう。しかし、タバコはそのリストの非常に低いところに位置している。アレルギー患者、とくに喘息の人々に対するタバコの煙の健康妨害(nuisance)の評価は熱心に研究されているが、その結果から喫煙が喘息発作の引き金になるという主張を確認することはできていない。猫の毛や草の花粉に対する過敏性が、どの程度タバコによる影響を受けるかもはっきりしていない

多くの喘息患者は、タバコが煙っている中では確かに主観的に迷惑を感ずると報告している。しかし他の多くの患者は、喫煙を好み、迷惑だと報告せず、ある場合は喫煙によって喘息が軽くなると感じる場合さえあると主張する。喫煙が喘息患者に対してマイナスの影響を与えることはなく、発作の頻度を高めないという論文もいくつかある。

もちろん他の論文が反対であることは事実だが、これらの主観的反応の修正は不可能である。タバコについてあらかじめ何も知らない喘息の子供を、タバコで非常に煙っている部屋に残しておいても、主観的にも客観的にも悪化は観察されない。

タバコの煙の粒子それ自体に負の影響があることは、30歳代、40歳代の自分自身(他者も)の経験、すなわち、より効果的な治療方法がない場合、喘息の患者に発作を予防するために喘息タバコを処方したということから反論できる。この場合、タバコは即席の小さなテントのようなところで吸われるが、多くの患者が有効であったことを認めている。これら喘息タバコの有効な作用が、朝鮮アサガオ(ストラモニウム)にも見られることは別の問題である。

タバコや喫煙に危険な発がん性があるとするならば、くちびるや口腔でがんが一番多く見つかるはずである。なぜならば、シガレット喫煙者のくちびるは1日に何時間も湿気を含んだタバコと直接に接触しているからである。

パイプによる喫煙者は、凝縮した煙がパイプの吸い口から口の中へ流れるとき、 よく自分の舌を咬むことがあるといっている。当然どのような喫煙方法でも、口や咽頭や気管支の粘膜は、最も濃度の高い暖かいタバコの煙と接触する。

しかし肺がんでは、最も多くのがんが肺胞上皮や細気管支、肺の最も深い部分、煙から最も遠い部分で見つかっている。タバコががんの主な原因であるのなら、これは予想できないことであろう。くちびるや口腔のがんで1987年に55、000人のうち7人が死亡しており、舌がんは35人、鼻や咽頭全体のがんは224人で(タバコの煙が歯根、上顎骨洞、唾液腺のがんに関与していると考えることは想像し難い)、気管や咽頭のがんは96人あった(因みに、肺がんは3、200人だった)。これらの数字からもタバコによる発がん性の確認はできないようである。細胞膜にさまざまなものがあることや場所によって感受性が異なることなどを説明に用いないまでも、煙はじかに肺粘膜に触れているのである。

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