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吸える店はタバコを吸わない客より吸う客を優遇しているお店

タバコの場合、吸わない人がいくら「私は吸いませんが、お好きならどうぞご自由に」と思っていて、タバコを吸う人を非難しているのではなくても、同じ部屋で吸われたら、その臭いを嗅ぎたくない人も嗅がざるをえなくなる。
吸える店はタバコを吸わない客より吸う客を優遇しているお店
吸う客が神様です。店に入ると、店の中がタバコの煙でモウモウなのはどこか?

焼肉屋は意外にそんなことない。焼肉屋さんの場合、全席が排煙機付のテーブル、という店が多いので、タバコの煙もいっしょに排煙される。イタリアンやフレンチの店は「完全禁煙(店がぜんぶ吸えない席)」なところがわりにある。 タバコ充満率が高いのは、ダントツぶっちぎりで、「寿司屋ならびに和食屋」である。

ただし、「寿司屋」「和食屋」とは、「町のふつうのお寿司屋さん」のことである。回転寿司やチェーン店定食屋のことではなく、さりとて、大会社のお偉いさんやセレブな有名人が行くような店のことでもない。 年収が250万~400万の人が、ふんぱつしたら行けるような、「自分の住む近所にある、ちょっとよそいき気分で行く店」のことである。 一人あたりの金額が、お通し酒代税金もろもろ含めて、3500円~7999円の店。

これでも子供さんのおられる御家庭ではキツいですよね。 寿司や和食って、(値段が)高級だろうがなかろうが、「香りを味わう料理」であろ う?なのに、なぜかお寿司屋さんや和食屋さんは、タバコの煙が充満していることが多い。私が知っているお寿司屋さんなど、店の前の道を通過するだけで、戸のすきまからスーッとタバコの煙が白くたなびいている日があるくらいだ。そこで「インターネットで調べてみよう」 と、飲食店検索サイト『食ベログ』で調べてみた。

念のため再度記すが、高級、チョー高級なお寿司屋さんは調べていない(高級店= 一人12000円~19999円。チョー高級店= 一人20000円以上)。 ▽まずPCをインターネットに接続 ▽ 「食ベログ」と入力。 ▽トップにエリアが列挙されている。例えば「東京都」 ▽東京都ページには「東京都のエリアを絞り込む」とある。「23区」をクリック。 自分の住まう沿線をクリック。 「ジャンル・店名。TEL」の欄に「寿司 和食」と入力。「予算」の欄に「8000」と入力(『食ベログ』の予算の刻みには「7000」というのがないため)。 ▽ 「夜のランキング」をクリックすると、100店以上、出てきた。 ▽画面左の「もっと詳しい検索条件を表示」をクリック。

この一覧に「こだわり条件」というのがあり、カードの種別だとか個室があるかどうかとか景色がきれいだとか、好みを選べるのだが、すべて「指定なし」でこだわらず、ただ「禁煙・喫煙」の項目のみ、「完全禁煙」を選ぶ。すると11店になる(15店表示のうち、お持ち帰り専門店3とばら寿司のみの店1店は除外)。 たちまち100は減った。

それでも私は「おお、時代は変化している」と感じた。 2010年には、この時点で「0店」だったからだ(『食ベログ』が情報をゲットしていなかったのか、お店が方針を変えたのかは不明)。 「もしかして、店主さんがインターネットとは無縁で、『食ベログ』に連絡していないだけかも」 こう思った私は、自宅から半径3mくらいの円内をぐるぐる歩き回って、お寿司屋 さんを見つけると、戸を開けて「ここ禁煙ですか?」と尋ねていった。2012年9月までの、私一人の調査では、全店が「いいえ」だった。「そうですか」と戸を閉め踵を返した私に、「だいじょうぶですよ、タバコ、吸えますよ」と、わざわざ追いかけてきてくれた寿司屋は一軒や二軒ではない。つまり店主さんは、お客さん=タバコが吸いたい、と思っている。

「ほかのエリアではどうなんだろう?」 と思い、自分の住まいから離れたエリアだとどうだろうと調べ直した。▽ 「銀座。新橋。有楽町」エリアで「寿司」で探すと、さすがは東京の中心、5千件以上(5364件)出てくる。 だが「完仝禁煙」を条件に加えると、たちまち15件。しかも15件のうちには、お持ち帰りのみの店も何軒か含まれている。 ▽ 「滋賀県」ではどうか。 検索した結果は「3店」。滋賀県全域で、禁煙のお寿司屋さんは3店しかない。しかも、なぜか湖のうんと北の長浜ばかり。さすがは豊臣秀吉に三献のお茶を出した石田三成の土地なのか?湖南や湖西や湖東にもお寿司屋さんはいっぱいあるのに「禁煙」を条件にしただけで0店になるとは。

▽ 「ならいっそ一駅隣の京都」ではどうか。 和といえば京都。世界一の観光都市、京都。京都全域で禁煙のお寿司屋さんを検索した結果は「7店」。しかもお持ち帰りのみの店を含んでの検索結果(涙)。大ブランド都市、京都でさえ完全禁煙のお寿司屋さんは府下全域でたった7件。 ふしぎだ。 お寿司を握る板前さんというのは、厳しい修業をしてきた人というイメージがあるのだが、その結果、「おれが丹精こめてにぎった寿司は、タバコの煙の匂いを嗅ぎながら食ってほしいんだ、べらぼうめ!」 と、思うようになるのだろうか? 「おれが一人前の玉子焼きを焼けるようになるまで、いってえ何年かかったと思ってるんでえ、この天下一品、世界一の玉子焼きにはタバコの煙をぶっかけねえと承知しねぇぜ!」 という誇りを持っておられるのだろうか?

「ほらよ、このみごとなマグロの赤身を見ろってんだ。マグロは赤身のにぎりに腕の 差が出るんだよ、おれのマグロは損させねぇぜ、さあ、タバコの煙まみれにして、灰 ふりかけて食べてくれ」 てな心意気で、店を経営されているのだろうか? そうなのである。 考えてみたが、そうなのだ。 自分の店で灰皿を出しておくということは、そういうことになる。

なぜなら、タバコは、その臭いを嗅ぎたくない人も嗅がざるをえなくなる嗜好品だからである。 たとえばここに、ドクターペッパーが嫌いな人と好きな人がいたとする。ドクター ペッパーが好きな人がドクターペッパーを飲んだところで、嫌いな人は「どうぞご自由に」ですむ。

しかしタバコの場合、吸わない人がいくら「私は吸いませんが、お好きならどうぞご自由に」と思っていて、タバコを吸う人を非難しているのではなくても、同じ部屋で吸われたら、その臭いを嗅ぎたくない人も嗅がざるをえなくなる。 だから、「吸える店」というのは、タバコを吸わない客より、「吸う客を優遇している店」だということになる。 店主は「自分の料理は必ずタバコといっしょに食べてはしいと思っている人」ということになる。



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