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タバコによる受動喫煙を防止して健康と安全を手に入れよう

これまで喫煙者におけるタバコの害についての議論をさまざまな角度から検討してきました。それでは、タバコが非喫煙者にまで及ぼすと言われている健康被害、いわゆる「受動喫煙」に関してはどうなのでしょうか?

身近な人を巻き込む「受動喫煙」
近年、公共の場は禁煙となり、タバコを自由に吸える場所が限られるようになってきました。喫煙者には肩身の狭い世の中ですが、なぜこのように規制されるようになったのかといえば、タバコが喫煙者本人だけでなく、タバコを吸わない人の健康を害することがわかってきたからです。

喫煙者の中には、社会における非喫煙の動きを単に嗜好の問題と解釈し、タバコの煙を嫌いな人がいるから喫煙場所が制限されている、喫煙者が迫害を受けている、と考えている人がいます。確かにいわゆる「嫌煙家」とよばれる人には、タバコの煙が「迷惑」だからタバコを吸わないでほしいという人もいますが、喫煙場所に規制が加えられるようになった背景にあるのは、嗜好の問題でなく、健康の問題です。

非喫煙者は他人の煙によって、自分の健康が害されるのですから、ますますタバコの煙に堪え難い苦痛を感じ、つい感情に走ってしまいがちであることが、受動喫煙の問題を健康問題だけで片付けられなくしている厄介な点でしょう。受動喫煙とは、自分はタバコを吸わないのに、他人のタバコの煙にさらされ、その煙を強制的に吸わされることです。このため強制喫煙、あるいは間接喫煙とよばれることもあります。

タバコの煙には、主流煙と、くゆらせタバコの先端から出る副流煙(火のついた部分から立ち昇る側)の2つの煙がありますが、この2つの煙の性質は大きな違いがあります。

主流煙の燃焼温度は860~900℃もありますが、副流煙の温度は500~650℃と低いためです。副流煙は主流煙に比べ、アンモニアを46.3倍も含むために、よりアルカリ性となり、強い刺激症状があるうえに人体に吸収されやすくなっています。

有害物質も主流煙よりはるかに多く、たとえばタール3.4倍、カドミウム3.6倍、ベンツピレン3.7倍、ニトロサミン52倍といったぐあいです。一酸化炭素も4.7倍、香料としての違法利用が判明したアセトアルデヒドは、食品1食分に使われた量の10万倍以上多く含まれています。換気していない6畳間でマイルドセブン・スーパーライトを1本吸うと、空気中のベンゼンは環境基準の4倍になるという報告もあります。

喫煙者がタバコを吸っている時間と吸っていない時間を比べてみるとタバコを吸っていない時間の方が長く、1本吸う間に主流煙の27.5倍も副流煙を出す時間が長くなっています。

受動喫煙はさまざまな健康障害をひきおこします。心臓病や呼吸器の病気などの基礎疾患のある人だけでなく、健康な人でも、タバコの煙に含まれるアンモニアなどの刺激物質が鼻や咽頭に達し、品や喉の粘膜に分布している三叉神経を刺激した結果の反応として、のどの痛み・目の症状(痛み・充血・涙・まばたき)・鼻の症状(くしゃみ・かゆみ・鼻汁)・頭痛・咳などの急性影響をもたらします。

これらの反応は、タバコを吸う人より、タパコを吸わない人に強く出てきます。コンタクトレンズをしていると眼とレンズの間に粉じんが入り込み、かゆみがひどくなります。昼間の受動喫煙が夜間や明け 方の瑞息発作の原因となることもあります。タバコの煙は喘息の直接のアレルゲン(原因物質)ではありませんが、発作を誘発させ、病気を長引かせるのです。

慢性影響では、受動喫煙にさらされていると、重篤な病気、たとえば肺ガン・副鼻腔のガン・乳ガン・脳腫揚・白血病・端息や慢性気管支炎などの閉塞性呼吸器疾患・虚血性心疾患・脳梗塞など、生死に関わる危険がもたらされます。 成人の慢性呼吸器疾患と虚血性心疾患になる危険は25%高まります。1本のタバコの煙で即時に命を落とさなくとも、吸わされ続けることで病気になったり早死にするため、受動喫煙は「緩慢なる他殺」といわれます。

タバコを吸っている間は、タバコを吸わない人がなぜあれほどタバコの煙に苦情を言うのか理解できず、むしろ自分が犯罪者のような目で見られることが不愉快であったり、非喫煙者の態度に反発を感じたりします。タバコをやめてみて初めて、非喫煙者の立場から受動喫煙の問題を理解できるようになります。

日本ではすでに路上禁煙や、バス停や駅での禁煙も行われていますが、それらも「受動喫煙の被害を防ぐため」言われています。嫌いなタバコの煙を吸わされたり、臭いをつけられたりするのは嫌だし迷惑だというだけのことならよく分かります。しかし、換気と分煙によっても避けることができないし、戸外でちょっとだけ煙に触れるだけのことで「健康被害」というのは一体どういうことでしょうか?

それに関して、アメリカ医師会などが支援し、FCTC総会などで盛んにアピールを出している国際禁煙団体にグローバル・スモークフリーパートナーシップ(GSP)」が以下のように主張しています。

①受動喫煙は健康に重大な影響を与える
火のついたタバコの先から立昇る煙や、タバコを吸った人が吐き出した煙を吸い込むことを「受動喫煙」とよびます。その結果、タバコを吸わない人でもタバコの害を受けることになります。

夫婦が同じ家で生活している場合、夫が吸えば、妻は自分で吸わなくても受動喫煙にさらされることになります。夫が1日20本吸う場合、非喫煙者である妻が肺がんで死ぬ確立は、夫が吸わない場合に比べて約2倍近く高くなります。

また、受動喫煙によって心筋梗塞など、虚血心疾患が引き起こされることも明らかになっています。多くの研究を総合すれば、家庭なり職場なりで受動喫煙が定期的にあれば、心筋梗塞になる可能性が2倍高くなります。

アメリカのヘレナという地区で、公衆の場での屋内喫煙を6カ月間禁止したら、心筋梗塞発生が半減し、禁止が解除されると増加していったという、うそのような本当の話もあります。

何より心痛むのは、その場から逃げるわけにも「やめて」ともいえない子どもたちへの影響です。喘息や中耳炎で苦しむ子が増えます。成長や知能にも影響がある可能性があります。乳幼児突然死症候群で命を落とす子までが増えます。未来へ落とす影は計り知れません。

受動喫煙は副流煙主流煙の混合したものです。有毒成分濃度は喫煙者が吸い込む主流煙よりも副流煙のほうが高くなっています。受動喫煙は病気と死亡をもたらします。短時間の曝露でも急性の健康障害が発生する。受動喫煙は肺がん、虚血性心疾患、乳幼児突然死症候群をはじめさまざまな病気や症状の原因となります。したがって受動喫煙防止法は健康と安全を守る法律です。

②受動喫煙に安全量はない
複数の科学専門家機関、政府専門機関は受動喫煙をヒトに対するA群発がん物質と規定しています。A群発ガン物質に安全量はありません。タバコ煙を換気などの手段で薄めても、受動喫煙の害をなくすことはできません。毎日受動喫煙にさらされている非喫煙者は、そうでない非喫煙者よりも30%死亡率が高いことが科学的研究で明らかになっています。心筋梗塞と冠状動脈心臓病のリスクはタバコ煙の吸入量と比例しない。受動喫煙のような少量のタバコ煙曝露によってリスクが急増するからです。わずか30分間の受動喫煙によって毎日1箱の喫煙者と同じ冠状動脈内皮機能障害がもたらされることが日本の研究者によって明らかにされています。

③公衆の集まる場所と職場の完全禁煙以外に有効な受動喫煙対策はありえない
完全禁煙だけが受動喫煙被害をなくす上で唯一有効と証明された対策です。完全禁煙政策は、非喫煙者の健康を守るだけでなく、喫煙者も含めたすべての人々の健康を速やかに改善することが、ますます多くの研究で明らかになっています。完全禁煙法が施行されると、飲食産業の従業員の健康が画期的に回復することが多くの調査で明らかにされています。

④空調・空気清浄機・分煙によって受動喫煙の害をなくすことはできない
最新式の換気・空気清浄化装置をもってしても、タバコ煙のすべての有毒成分をゼロにすることはできません。それどころか、換気・空調装置によってタバコの煙が建物全体に広がるおそれがあります。

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