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喫煙は頭の働きを低下させる!受験生や学習する人は要注意

タバコを吸うと頭がスッキリするという理由で吸い続けている人が多くいます。試験勉強で眠くなったときに目を覚ますためにタバコを吸う人もいます。

作家の喫煙率は一般人より高いようで、タバコを吸うからよい作品が書けると思っている人もいます。

しかしその結果として有名な作家は、肺がん、食道がん、喉頭がんなどのタバコ病が原因で志半ばにして亡くなるかたが多いのも事実です。残念なことです。

本当にタバコは覚醒剤の代わりになるのでしょうか。
はたしてよい考えが浮かぶのでしょうか。

タバコに含まれているニコチンの中枢神経に対する作用は興奮状態にあるときには抑制的に働き、鎮静効果を及ぼし、一方ボンヤリしているときには精神に興奮の効果を及ぼすとされています。

しかしこれはあくまでもすでに喫煙を続けている常習喫煙者だけに対する鎮静や興奮の作用なのです。


脳波への影響
喫煙は脳波に明らかな変化をもたらし、大脳皮質の覚醒レベルを高めていることがわかっています。

しかしこれには個人差も大きいのです。実験によると常習喫煙者がふだんどおり吸っているときの脳波上の大脳皮質興奮レベルは、吸わない人のレベルとほとんど差がなく、12~15時間禁煙をしたあとの脳波のレベルは低くなっています。

そしてタバコを2本吸うことで元の大脳皮質興奮レベルに戻るのです。つまりタバコは頭の働きをよくしているわけではなく、喫煙者において日ごろより低下した頭の働きを元に戻すというものなのです。

喫煙者は喫煙を続けていないと、非喫煙者並みの働きに追いつかない
ということになります。

さてタバコを吸うと頭の回転が早くなるのでしょうか。ブロッキングテストで試してみます。

喫煙者にタバコを2本15分間で吸ってもらい、赤、青、黄など5種類の色で書かれた色を表わす漢字を読むという実験です。これをタバコを吸う前と吸ったあとで正確に早く文字を読む割合を比較しました。

結果としては吸う前とあとで大きな差が出ています。フィルターのない両切りタバコでは‐2%も判断時間が遅くなっています。とっさの判断力が鈍くなっているのでしょう。タバコを一服するたびに頭の回転が遅くなっていきます。

喫煙は知的作業能率を低下させる
最近、世界の空も飛行機は全席禁煙になりました。しかしパイロットのいるコックピットは禁煙になっていない会社もあるようです。タバコを吸うパイロットの精神の安定のために吸わせているのかもしれません。

しかしかえって知的作業能率は低下します。とっさの判断の必要なパイロットはやはり非喫煙者のほうが安心です。

同様の実験をニコチンやタールを除去した方法で行なってみましたが、やはり知的作業能率は低下しました。

これはタバコの中のガス相の一酸化炭素が、ヘモグロビンと結合し、本来結合するはずの酸素と結合できないため、一酸化炭素を含んだ血液が身体をめぐり、脳へも酸素の不足した血液がめぐるため、大脳の酸素不足が作業能率を低下させるからです。

受験勉強中に頭をスッキリさせようとタバコを吸うと、脳はかえって酸素不足となり学習能力は低下してしまいます。受験生はタバコを吸わないほうがよいのです。子どもの成績は悪いよりはよいに越したことはないでしょう。

それならば「勉強しなさい」といっていながら子どものそばでタバコを吸い煙害を与えるのはおかしなことなのです。子どもの呼吸器への障害のみならず、子どもの知能にも影響を与えているからです。

脳萎縮
脳の老化に及ぼす喫煙の影響について調べた結果によると、脳の血流はヘビースモーカーで有意に低下しています。脳の酸素不足が続くと年齢とともに始まる脳の委縮のスピードが早まります。喫煙指数(一日の本数×喫煙年数)の高い人は、CTスキャンで見ると脳の外側部分のすき間が広がり、脳が縮んでいることがよくわかります。

認知症
タバコは百害あって一利なしとうたわれています。このことをいうとヘビースモーカーの人がJTサイドからの情報をもとに「タバコはボケ予防になる」という決まり文句をいうことがあります。その理由は「認知症老人を見ているとタバコは吸わない人たちです。吸っていればボケなくて予防になるのに」というわけです。

そういえば認知症の人々にマッチやタバコ、ライターを渡すことはまずないでしょう。自分が買いに行かなくては手に入らないので、今は吸っていないのです。しかしそのかたの若いときの喫煙歴がどうだったかは家族に聞くしかありません。本人は喫煙していたことも記憶にないかもしれませんから。現在認知症のかたが、吸うか吸わないかは判断の材料にはなりません。

タバコと認知症の関係
さらに、タバコは中年期の記憶力減退のリスクを高めるようだとする驚くべき研究結果が発表されました。この研究は仏国立保健医学研究所 (INSERM)によるもので、「Archives of InternalMedicine」の2008年6月9日号に掲載されています。

研究チームは、中年期の喫煙は記憶力の減退および論理的思考能力の低下と関連があると指摘しています。かなり前に禁煙した元喫煙者は 記憶力、語彙、言葉の流ちょうさが減退する傾向が緩くなること、中年期に喫煙を止めるとほかの健康習慣も改善されることを結論として挙げ、喫煙と認知症の関連性を指摘しています。

まだエビデンス(臨床結果)というには、時期尚早かもしれません。しかし個人的な印象ですが、老人の喫煙者の記憶力や言葉の滑らかさは非喫煙者に比べて低下している、と日々感じています。診察をしながら「タバコのことを理解してもらえない理由がタバコなのかな」とも思う時があります。

受動喫煙で認知症リスクが高まるという最新論文
受動喫煙は非喫煙者の認知症リスクも高めるとする研究が、2009年2月13日の英医学誌「ブリティッシュ・メディ力ル・ジャーナル(Bri t ish Medica1 Journal、BMJ) 」に発表されました。喫煙者と認知症の関係は徐徐に明らかになってきていますが、受動喫煙が非喫煙者の脳機能に与える影響についてはこれまであまり知られていませんでした。

英ケンプリッジ大学(Cambridge University)のデビッド・ルウェリン教授率いるチームは、かつて喫煙していた、または一度も喫煙したことのない50歳以上の約5000人を対象に、この種の実験の被験者 数では過去最大の実験を行いました。 被験者は、唾液に含まれるニコチンの副産物「コチニン」の量をもとに、受動喫煙が多いグループから少ないグループまで、4つのグループに分けました。

次に、被験者に記憶力や数字・言語を扱う能力など、脳機能と認知能力に関するテストを受けてもらったところ、年齢や既往症などの諸要素を考慮した場合でも、脳機能の低下と受動喫煙の量に明確な因果関係があることがわかりました。

たとえば、受動喫煙が最も多いグループでは、基準としたグループに比べて認知能力の欠如のリスクが44% も高いことが判明し、こうした関係性は、かつて喫煙していたグループと一度も喫煙したことのないグループの両方でみられました。 喫煙する夫を持つ妻は、肺がんになり易いだけでなく認知症にもなり易いのです。衝撃的な論文です。

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